心理学の活かし方~研究などイロイロ~

心理系学部生が研究や就活のことをまとめてみる

【まとめ】心理学を活かした就活を考える

※本記事はいわゆるまとめ記事で,現在まさに構築中です。興味がある方はコメント等を頂ければ記事の形で回答したいと思います。


こんにちは。 

 

私は幸運にも恵まれ,心理学専攻出身で,来年からUI,UXエンジニアのお仕事をさせて頂くことになりました。

 

子供のころからの目標を実現できたのはいいものの,私自身この仕事の内定を頂くまでにいろいろと苦しみました ...

POINTこの記事は主に心理学を活かして企業に就職したい方向けに,体験者からのアドバイスを行うまとめ記事です

 

入学当初から「心理学を活かした仕事」に就くことしか考えていなかったのですが,心理学を活かした就職って何があるの?というところから始まりました。
いろいろググってみた結果,心理学を活かした仕事には大きく2つあることに気づきます。

  • 公務員心理職
  • 企業(研究開発/人事・教育など)

 

それぞれメリット・デメリットがあると思います。
公務員心理職について知りたい方はこちら。

 

 

ただ今までの経験から臨床は向いてないなあと思い,企業の研究開発を中心に企業探しをすることに。企業の研究開発職における心理学の採用はさらに情報が少なく...

  • そもそも企業の研究開発職で心理学の需要はあるのか?
  • どうやって見つけるのか?

  • 学部生・修士・博士で採用基準は違うのか?

  • 内定を獲得するためには何をすればいいのか?

  • 研究テーマって重要?

 

などなど悩みが尽きなかったです。
この記事ではそんな「心理学専攻の人が企業で研究開発する」ためにすべきこと,できることを皆さんと一緒に考えてみたいと思います。

 

ちなみに,私のスペックはこんな感じ

  • 旧帝 or 早慶クラスの大学学部卒

  • 実験心理学(基礎心理学)専攻

  • 専門はUXデザインをはじめとしたモノの使いやすさに関する研究

  • スキルとしてEEGの使用経験,JINS MEMEの使用経験あり

  • 内定は2社(うち心理学を活かした技術職1社)

  • 学校推薦を活用

  • 業績は国内学会1件のみ(査読なし)

 うーん,微妙なスペックだ...


心理学を活かした就職はコネなどが強い傾向にありますが,少しでも参考になるものが書ければ嬉しく思います。少しずつコンテンツを充実させていく予定ですので,しばらくお待ちください。

 

もちろん,マーケティングリサーチや人材など,可能な範囲で心理学が活かせそうな他のお仕事についても記事が作れればいいと思います。

興味がある方はいつでもご質問頂けますと幸いです。

 

心理学を活かせる企業選び

そもそも「心理学が活かせる企業」って実際の心理学専攻の人が書いた文章は少ないことに気づきました。

実際に私が就活で検討した・応募した企業を基に,どんな企業なら心理学専攻の人を「専門性を評価して」採用してくれるのかを書いてみました。


一見心理学と縁のなさそうなNTTや自動車メーカーなど,意外な選択肢もあります...

推薦・自由応募の選び方

メーカー等では事務系(文理不問)と技術系(主に理系)で採用が別に分かれています。
文系では自由応募(自分が好きな企業に応募)が中心ですが,理系には推薦(大学を経由して企業に応募する)が主流です。

心理学部生でも専門を生かして就職したい!という場合は推薦は外せない選択。
この記事では心理学を学ぶ学部生だった私が推薦応募を使ったメリット・デメリットを解説します。

 

 
文系の人が学校推薦を使った記事って意外とないんですよね。また,最強に見える学校推薦にも実はデメリットがあったりします。

研究室選び

企業さんはそもそも心理学のことを良く知らない...ということもあり心理学ならばどこでも同じ!という側面はありました。

ただ,ヤバい研究室を選んだばかりに研究どころじゃないとか
ヤバい研究室ではないものの自分のやりたいことができない,ということはよくあります。

今回は研究テーマは抜きにして,研究室選びの前に何を知っていればよかったのか?を考えてみます。

テーマ選び

心理学なら誰でもOK!という側面が企業さんとしては強いようです。(修士以下の場合)
一方で研究生活という側面では,研究テーマ選びによって先生や企業からのサポートは大きく変わってきます。

そしてその結果は就活に地味に響いてくるのもまた事実。

この記事では「研究費の出どころ」に焦点を当ててどんなテーマを選ぶのがいいのか?を解説します。

 

面接対策

企業の人は想像以上に「心理学を知らない」もの。
理系や社会科学系の学部以上に「わかりやすく伝えること」など工夫が求められます。

この記事では「わかりやすく/かつ優秀そうに」見せるためにできることを解説しました。

大学院進学は必要?学歴別の心理学と就職

こんにちは。

 

心理学部生にとってはメジャーな選択肢の一つである「大学院進学」。 文系院卒としての不利を被るリスクがあるとはいえ,アカデミックや公認心理師,その他の心理職に就くためには必須な選択でもあります。

 

そこで今回は学部/修士/博士で就職するまではどう異なるのか?を考えてみます。

 

私自身はあくまでも学部卒→企業心理職を選択したので,修士以上は先輩方のお話です。



 

学部卒

心理学を活かさない!と決めているならばこの段階で就職した方が良いでしょう。
学部卒で就活をするメリットは大きく3つあります。

 

「時間をかけられる」こと。

単位取得が順調にできていれば,少なくとも4年生の前期には授業がほぼない状態になっているはず。進路模索に使える物理的な時間が多いのは大きな強みになります。

先輩方の就職活動を見ていても,現行のインターン+3年の3月~4年の6月までの本選考というフローでは,「早期に情報を得て準備をした人間が勝つ」と感じました。

個人によって準備の進み方に差はあるにせよ,4年生の前期を就活に専念できるメリットは大きいです。



選択肢が多いこと

四季報を見ている限り「文系院卒は採用しない」スタンスの企業も多くあります。

一方で,文系就職をする場合学部卒であることのデメリットは全くありません。
私自身学会発表経験を全面に押し出して就活しましたが,それでも「なんで学部卒で就活するの?」とは一度も聞かれませんでした。

どのような業界でも採用してくれるため,とりあえずインターンで業界を絞り,本選考では数を打ちまくる!という戦法が使えます。

大学職員などの例外は別として,文系院卒が優遇される民間企業は少ないのが実情。

逆に学部生ならではの選択肢が多いことを活かし「学部生の就活では本命企業に絞り,ダメなら院進学」という選択が取ることもできます。私も「全滅したら進学すればよい」とエントリー数をかなり絞ることができました。

 

実績を問われない。

私は先述のように,学校推薦で心理系技術職として採用されたのですが実績は全く聞かれませんでした。

面接前の段階では
  • 査読論文の実績がないこと
  • 知識量として明らかに少ないこと

が非常に不安でしたが,そういったことは全く聞かれませんでした。
聞かれたのは「業界選択理由」「心理学を企業で生かすとは?」などの伸びしろに関すること。

学部卒ならポテンシャル,というのは知ってましたが「心理系技術職かつ学校推薦」でポストが決まっているはずなのに知識を求めなかったことに非常に驚いたのを覚えています。 


院卒の場合

私の先輩方を見ている範囲では学部卒と修士以上では想像以上に壁があるように感じました。例えば下のような記事のように...

 

husbird.hatenablog.com

 



というのも学部卒の就職はリクナビマイナビでオープンになっていますが,修士卒以上の就職は必ずしもそうではありません。
非常勤講師の職にせよ,パーマネントの研究職等にしても通常のサイトでは見られなくなっていますし,就職活動ではある程度の専門性を求められるようで。

特に非常勤講師や民間の研究職(アカデミック・企業とも)は教員とのコネクションを作れたか?かが結果に響くのではないでしょうか。


とはいえ「学部卒と同様のフローもある」修士とそうでない博士には大きな違いがあります。 

修士

学部生に比べて就活をする時間が減り,文系院卒としてのフィルターを貼られがち。
私の先輩方を見ている限り,現状では文系院卒(修士)のメリットは小さいと思います。


ただ2つのメリットがありました。


公務員試験で有利に立てること

このページでも書いたように,近年の心理系(人間科学系)公務員は「院卒がメイン」という状況になりつつあります。

また,行政職で受験するにしても,東京都や京都市などのように「院卒程度」を大卒とは別に設けている自治体もあり,院卒になるだけで極端に倍率が下がる傾向にあります。

 

特定の業界に強い

フツーの銀行やメーカーでは見ませんが,特定の業界では文系院卒の比率が大きく上がります。私が見た限り大学職員とコンサルは文系でも院卒は優遇されるように思います。

コンサル系のインターンでも文系院卒を複数名見ましたし,日本IBM野村総研のように文系院卒を10名以上採用している企業があります。そもそもの文系院卒の比率を考えれば多いと言えるのではないでしょうか。

また,国公立/私大を問わず大学職員は多いです。
私が説明会に行った慶大でも就活体験談を話していた職員さんは文系院卒でした(他大学です)し,四季報を見た範囲でもそうでした。全体で20名の新卒採用で文系院卒が4名…という大学もあり大学との相性はよさそう。

実際「ある程度腰を据えて研究しないと研究者の気持ちはわからない」という発言が面接でもあり,院卒にはチャンスが多い業界だと思います。

 

企業で心理系研究職を目指すなら最低ライン

私のように推薦で押し込んでもらったケースは例外的。
実際に「心理学ワールド」*1や先輩方を見ていると「心理学で企業に行くなら最低修士,できれば博士」なのが実情。 私みたいに学部卒で採用された人は見たことがないです…。

 

研究での実績もそれなりに積めますし,若さが残っているため入社後の教育がしやすいのも魅力かもしれません。

 

博士

アカデミックから出る選択肢が少ないのが現状で,理系ほどは企業からチャンスがもらえるわけではありません。とはいえ修士以下には絶対にないメリットがあります。

 

1.一括採用/採用後配属に縛られない

20卒段階では「3月広報解禁/6月内々定出し」の経団連ルールはベンチャーを除く日系では予想以上に厳格に守られていました(少なくとも形式上は) 

 

このルールが崩れてきているのは事実ですが,今後も何らかの形で政府や企業が就活のルールを作る流れは残ると思います(私の職場を見ていても,なんだかんだ一括採用のメリットは大きいです)。

 

一方で,博士卒(及び満期退学)にはそもそもルールが適用されていません。実際製薬企業の研究職は博士をD2の段階から採用しています。

私が前にいた職場でも社会学系の人に対してD2の段階で内定を出し,D3では博論を書きつつ週2で働いてもらうということが行われていました。



2.学位取得は必須ではない

心理系の場合,研究職以外で就職するならば「満期退学でも良い」のも魅力。実際私の元上司も博士課程を満期退学で職場に採用されていますし。

博士論文以外の単位を揃えること自体は比較的容易なようで,「学位取得は諦めて企業に行く」と決めれば自由なタイミングで就活できるのは大きなメリット。(年齢制限は大きな問題ですが)

関心を持ってくれる企業さんに対し,早期選考を受けることができます。

まとめ

学歴別に選択が変わってくるのが実情。ご質問を頂ければできる範囲でお答えします。

*1:日本心理学会の学会誌

入学前によく考えて!公認心理師(カウンセラー)になるための大学選び

こんにちは。

私は受験生の進路決定をお手伝いをする仕事をしているため、受験生から「心理学部に行きたい!」などという相談をよく受けます。

ただ皆さんの様子を見ていて「その志望校で本当に学びたいことを学べるの?」
とツッコみたくなることが多いので今日はそんな記事を…
受験生の方で志望校を決めかねている方がいればぜひ参考にして欲しいです。

臨床心理士(公認心理師)と大学受験

受験生が心理学に関心を持つ最大のきっかけがこれ。
多くの生徒さんが「カウンセラーになりたい、臨床心理士になりたい、だから心理学科に行こう!」と話してくれます。

ただ臨床心理士になるためには大学院修士課程までの6年間のスケジュールを考えて受験校選びをしなくてはなりません。

また公認心理師になって,「学部で公認心理師の過程を修めること」が原則必須になりました。さらにシビアな志望校選択が求められます。

また、受験生が夢を持っているほど臨床心理士は生活しやすい仕事ではないですし、生生しくて汚い現実をたくさん見ることになります。
※私の経験上です。そのことは近いうちにブログ記事にします。

文学部/教育学部で学べることは違う

本気で臨床心理士/公認心理師を目指す場合、非常に重要なのは教育学部系の心理学科」でないといけないということです。
*1

そして,日本のほとんどの大学では入学時に学部選択することが求められています

 

有力といえる大学で入学後に臨床/基礎(認知とか)を選択できるのは東大・阪大・上智同志社くらいでしょうか。京大・早大では入学時の学部選択で公認心理師資格が取れるか決まります

 

ちなみに,文学部系の心理学科では認知心理学など基礎系の内容をやります。
臨床心理学よりもむしろ認知科学に近く、学際性の高い分野とも言えそうです。
こんな感じ↓

 

husbird.hatenablog.com

husbird.hatenablog.com

 

臨床心理士公認心理師になるためには異なる受験プロセスがあり(下の写真を見て)しばらくは両立していく形になるでしょう。

f:id:husbird:20180126234426j:plain

f:id:husbird:20180126234442j:plain




大学受験生からすると入学時に「公認心理師を目指すのかどうかを決めなくてはならない」という少し厳しい内容ですね。

教育学部入学=臨床系コース確約ではない

東北大のように,心理学でも教育学部/文学部で学べる内容が違う大学のうち教育学部に入っても必ずしも臨床心理学のコースに入れるとは限りません。

 

国公立大/私大いずれでも臨床心理学のコースは人気ですが,特に私大では心理学唯一の資格ということもあり,ゼミor研究室配属は競争試験に行われるケースがしばしば

 

友達でも「臨床心理士/公認心理師志望だったのに臨床心理学の研究室に入れなかった」人が複数います。

 

研究室配属の基準はGPAで決まることが多いので,入学後も成績を維持する努力が必須です。

 

絶対に臨床心理師/公認心理師になりたいなら国立大がおススメ

例外はたくさんありますが,国立大は私大に比べて,学生の数に比べて先生の数が多いです。


そのため,国立大であれば比較的臨床心理学の研究室に入るのは容易だと思います。

私の知っている範囲では,阪大や九大の臨床心理学の研究室は「過去3年間研究室配属における選抜なし」でした。

 

あとは,「なるべく偏差値の高い大学に入る」ことも大事。
偏差値が高い大学ほど,資格がなくても良い就職ができる可能性が高いです。

そのためわざわざ資格を取る必要性が低く,臨床心理学の研究室に入るためのハードルが下がるように思います。

 

まとめ

臨床心理学の研究室は心理学の中でも屈指の人気を誇ります。
ただそこに入るためには大学入学前・入学後いずれもそれなりの努力が求められるのが現実なのでした。
もう一回書きますが,「大学選び」は大事ですよ...

*1:例えば東北大ならば文学部の心理コースと教育学部の心理コースがありますが、文学部では取得困難です

スキルをどう伝えるか?心理学と面接の話。

こんにちは。

心理学×就活を軸に記事を連載していますが,それもこれで4本目。

心理学で就職したい!というからには自分なりに心理学に向き合ってきたはず。研究だったり開発だったり,アウトリーチ等の広報だったり… とはいえそれを企業の人に伝えるのは難しいもの。

そこで今回は「心理学を面接でどう語る?」を書いていきます。

大前提「企業の人は心理学を知らない」

はい。企業の人は想像以上に心理学を知りません。 これは事務系総合職などの文系職だけでなく「心理学専攻を技術者として採用する」場合にも当てはまります。

というのも,ほとんどの企業で「面接官になれるほど心理系出身者が採用されていない」からです。
私が技術系で受けた企業の面接官はバイオや機械系など,心理学とは無関係な人達でした。

 

ということで「専門用語を駆使して科学的な正確さを担保」する学会発表のようなことをやると彼らは理解できません。爆死します。(実際に爆死しました)

研究職として採用されるはずの博士は例外として少なくとも学部生や修士卒であれば,
とにかくわかりやすく「なんとなくこんなことやってるんだなあ」くらいが伝われば十分だと思います。

私の場合「子供むけ学習器具××の使いやすさについて研究しています。例えば汗の量などの生理測定や実験の解析などを行っています」

などともの凄くざっくりと言っていました。

それなりに専門用語っぽいものをちりばめておく


私が受けた企業*1だと,「文系の人はあまり勉強していない」ことを前提に面接がされていると感じました。
そのため基本的に実験手法や研究業績などは聞かれず…

ある企業では事務系総合職で応募したのですが,研究業績が一応あることを言ったところ「院進するの?」と言われたことも...

 

研究した!ということを押し出すにはそれなりのリスクが伴うのかも。
 

その一方で多くの企業は「理系ならちゃんと勉強している」そして「心理学の一部の分野は理系に近い」ことに気づいていました。

だからかか「生理測定してます!」とか「統計解析できます!」とか伝えるとかなり反応が良かったです。

おそらくは「とりあえず理系ならばそこそこ勉強しているだろう」という発想があるのだと思います...

ガクチカに「研究」を入れる場合 

心理学を含む文系学生でこれをやると「あ,頭の固い人だ」と思われるとか...*2

個人的には研究成果そのものをガクチカにするのはおススメしません。

それよりはむしろ,「成果を上げるための工夫」や「どんな人と協業したか?」を話す方が印象は良かったように思います。
私の場合は「仙台で行われる学会に参加し,研究者から直接アドバイスをもらった」と言っていましたね。

ちなみに,学生時代に力をいれたことを研究にする場合,「共同研究」が話しやすいと思います。

共同研究では企業の人とのコミュニケーションが求められますし,
いわゆるコミュ力重視の面接で「大人と協業した経験」は刺さるようです...

心理学を伝える!ためには工夫が必要なのでした。

*1:その多くは割とアカデミックを押してくるような企業さんだったのですが…

*2:面接のフィードバックで指摘された

【心理学部生必見】研究室選びのイロハ

こんにちは。


先日twitterで回答をしたところ想定外にたくさんの反応を頂いたのでこちらでも公開してみたいと思います。


この文章は主に進学を考えている,あるいは心理学を活かして就職したい学部2年生向けに「研究室選びの基準ってある?」を書いてみた文章です。

 

大前提として研究室のPI(たぶん教授や准教授)と相性が悪くないことが前提。悪い人でなくとも気が合わない人と毎週顔を合わせるのは辛いです。

就職まで退官/異動リスクが少ないこと

大学の先生は高校までと異なり,「定期的な人事異動」はありません。
もちろん任期制で採用された先生が任期切れで大学から出ていくことはありますが,
心理学の教授クラスで任期制が発動されるケースはまだないと思います。

では先生はどのタイミングで大学を辞めるのか?ですが,
大きく分けて定年退職と他大学に引き抜かれるケースの2つがあります。


まず国公立大の場合65歳,私大の場合70歳が定年です。
この年齢になれば教員は強制的に退職します。*1

 

そして厄介なのが「他大学に引き抜かれるケース」
年度末になって突然「4月から他大学に行くから」と言われ大変なことになります。
*2

 

教員もより自分の研究意向にあった大学や企業に行きたい!というのはあるので次のような条件を満たしているかは教員が引き抜かれるリスクの高低を判断する基準になると思います。

 

a.職位が教授であること

b.今の大学が教員の母校であること

 

いずれも満たしていれば,他大学に出ていくリスクは小さいと思います。昔は本当にこの法則通りだったのですが,最近は母校から海外の大学に引き抜かれていく先生もいるようで...

 

科研費/共同研究の実績があること

心理学の研究室もそうですが,お金の有無は研究環境にシビアに響きます。

例えば謝礼が自己負担だったり,フィールドワークの交通費が全額自己負担だったり…お金のある研究室は概して待遇がいいです。

目安として科研費/共同研究の実績があれば安定的に研究できるでしょう。
科研費や共同研究の実際のところはこちらをご覧ください。 

 

学振採用実績があること

まずは学振について説明しますね。

日本学術振興会特別研究員(にほんがくじゅつしんこうかいとくべつけんきゅういん)とは、文部科学省所管の独立行政法人日本学術振興会が、日本トップクラスの優れた若手研究者を採用し、自由な発想のもとに主体的に研究課題等を選びながら研究に専念する機会を与え、研究者の養成・確保を図るため、研究奨励金および研究費を支給する制度である。特別研究員には、給与生活費)として研究奨励金(月額20万円~44.6万円)が支給され、さらに年間150万円(SPDは300万円)以内の科研費(特別研究員奨励費)も支給される。特別研究員に採用された者の常勤研究職への就職率は抜群に良く、同制度は我が国における研究者の養成・確保の中核的な役割を果たしている[1]多くの若手研究者が特別研究員に申請しており、非常に狭き門として知られている。(Wikipedia 日本学術振興会特別研究員より引用) 

わからない人のために簡単に言うと「学生なのに月々20万円もらえるシステム」です。すごい!(#^^#)*3

そしてこの学振に採用されるための倍率は5倍とそれなりの倍率になっています。

ところで私のラボの先生方を見る範囲で,学振には先生方の支援が必須です。
特に応募時に提出する「評価書」は指導教員が書くことになっています。
先生曰く「マジで大変」らしいです。ということで学振採用実績があるということは「それなりに指導してくれている」証拠になると思います。

なお,同じ理由で「博士号」取得者が多いところは非常に魅力的です。

 

就職実績が明確なこと

アカポスや心理学を活かした企業就職にはボスの力が必須。
実際私もボスには何度も推薦書を書いてもらいました。
推薦の時の話はこちらをどうぞ。

husbird.hatenablog.com


いずれにしても,卒業後も心理学にかかわりたいならばこの繋がりは大事。
研究室選びの段階である程度聞けば教えてくれます。

臨床系の人の最初の非常勤はボスから紹介されたところというのは聞きますし,研究室選びに重要な要素であるのは事実です。

 

学生からの評判がいいこと

これ大事。できれば学部生ではなく院生に聞いた方がいいです。院生さんは学部生に比べて研究を進めていますし長年教員と関わっているためアドバイスをくれるはず。

パブリックな研究室訪問で聞くのもいいですが,心理学の場合「実験参加者として参加したとき」に聞くのがおススメ。

待ち時間とかに聞けば教えてくれます。私が今のラボを選んだ理由も,先輩方からの評判が悪くなかったからです。

まとめ

いろいろ書いてみましたがどうでしょう...

結局のところ「実績がそこそこあって指導熱心なボスかどうか?」なのかもしれません。

*1:名誉教授などの例外はありますが,退職後に大学に来ることは減るのではないでしょうか

*2:いろいろ事情があって,事前には言えないことも多いです

*3:もちろん様々な制約があり万能ではありません。研究専念義務や留学の制限などがあります

【体験談】科研費?共同研究?将来を分ける研究テーマ選び

こんにちは。

 

ここしばらく書いている就職記事の続きです。
今回は「企業心理職に就くための研究テーマ選び」で回答していきたいと思います。

理系の場合,「教授の決めたテーマをやる」ことが多いですが心理学の場合そうではないように思います。

少なくとも私の所属しているラボは同期8人のうち,教授と一緒のテーマをやっているのは私だけ。他の皆さんはもちろん教授の指導は受けますが,基本的に個々人の関心があるテーマをやっている感じです。

でも研究テーマ選びって大事だよ!と就活/院試で思ったので今回はどんなテーマを選べばいいのか?を書いてみました。

 

POINTこの記事は主に研究室やゼミに入った学部3年生に向けて研究テーマ選びのアドバイスをしている記事です。心理学だけでなく理系の方にも参考になるはずです。

どんな選択肢があるのか?

具体的なテーマごとに分ける選択肢もありますが,今回は「研究費を誰が払うのか?」に注目して分けてみました。次のようになります。

  • 科研費(をはじめとする競争的資金)
  • 企業との共同研究
  • 自主研究(運営費交付金による研究)

もちろんこれ以外にも財団から競争なしで提供される資金もありますが,大きく分けて上のようになりました。

ちなみに競争的資金とは,政府が研究テーマを公募するタイプのもの。政府機関による選考を通過した研究者のみが資金を得ることができます。逆に大学別に無条件で与えられるものが運営費交付金です。

心理学専攻の学部生の研究の大部分は運営費交付金から出されていますが,近年運営費交付金縮小の流れが続いています。
その代わりに科研費などの競争的資金の割合が常勝しています。私の後輩世代は科研費で研究が当たり前になるかも...

科研費

私自身はいろんなことを検討し,科研費テーマを選択しました。

 

科研費とは「国の機関であるJSTから研究者に対して配分される競争的資金」のこと。競争的資金では日本最大級の規模を誇ります。

科研費は国から優秀だと認められた研究者に与えられるので,自分の研究室の先生がこれを持っていれば多分その方は優秀です。多分...

なおJST科研費以外にも「さきがけ」や「CREST」などの競争的資金を扱っています。

この科研費をはじめとした競争的資金による研究は大学教員にとって死活問題。
ですが実は研究を続けたい学部生にとっても大きなメリットがあります。


大金を使った研究が可能

近年心理学の研究にはあまりお金がかけられなくなってきました。例えば私の所属している学部でも昨年から「実験参加の謝礼額引き下げ」が行われ今までより実験しにくくなりました...

でも科研費の研究であれば通常よりも高い謝礼金を出せたり,運営交付金での研究では買えないような高級機材が買えたり...とメリットが大きいです。

そして,企業との共同研究と異なり「事前に決まった年数は必ずお金が入り続ける」のも魅力。安心して研究ができます。

教授が熱心に指導してくれる

もちろん別のテーマでも指導放棄されるわけではありません。が...
先生方も人間なので「自分の業績になる!」ならやはり高いモチベーションで指導してくれるもの。

そのため,自分から求めれば他の学生よりも熱心に指導してくれたり学会発表のチャンスをくれたりします。

私自身も教授からたくさんのサポートを頂き,学部4年の春の段階で学会発表を経験できたのは,科研費を選択したおかげだと思います。


また,先行研究等が日本語で残っていることが多く先行研究調査に時間をかけなくてよいのは大きなメリット。仮説立案や考察に時間をかけることができます。
 

ただしヤバい研究者が教授だと,研究実績を横取りされることも...

 

意外と自由なテーマ設定

研究室にもよりますが,私の研究室の場合最低限のテーマを与えられた後はほぼ自由にやらせてくれました。

要因を追加したりすれば,学部生であればそれなりの実験にはなると思います。

ですので,テーマ設定力や実行力も身につくとは思います。自由度は企業との共同研究と自主研究の間くらいで個人的にはバランスがいいと思います。 

 

ここまで書いたように,メリットの割にデメリットが小さいです。
そのため,手早く論文や学会発表という実績が欲しい!なら科研費のテーマは強くお勧めできる選択です。

 

企業との共同研究

自分の研究室と提携している企業の研究者と一緒に研究するタイプのもの。
いくつかの種類はありますが,何らかの形で企業の研究者と関わることになります。

心理系の研究室で企業と共同研究しているところは少ないのが現状。かなり共同研究先が多い私のラボでも,多い年で2~3社くらい。0の年も珍しくありません。

チャンスは限られているものの,共同研究には科研費にはない数多くのメリットがあります。

指示に従うだけで研究が進む

この表現はものすごく極論を言っています...。私のラボで共同研究している人はちゃんとやってますよ!

とはいえ共同研究は「企業がビジネスとして成功するため」に行うものであり,心理学研究の場合「実験・研究人材のアウトソーシング」になっているのも事実。

ということもあり,基本的には企業の研究者の方が考えて学生はそれに応えていくのが流れです。

 

学部生だとほぼ「実験要員」になりがちですが,院生さんになると「自分からテーマや手続きの提案」ができたりするようです。


企業の方の要求に応じて進めていくため,「いろいろ頑張ったけど結果がボロボロで卒論書けない...」とはなりにくく,卒論を書きやすいのも魅力。

 

企業研究者と関われる

企業で研究職を狙う!と決めているならば絶対に譲れないメリット。私も「企業との共同研究が良かったなあ...」と後悔することもあります。

学生は受け身になりがち...とは言っても「○○さんはこの手続きどう思いますか?」などと企業研究者の方との打ち合わせで聞かれることもあると同僚が言っていました。

それ以上に企業とのかかわりが深かったり,共同研究先で実験をする場合(心理学では珍しいですが)社員と仲良くなり「企業研究者としての生き方」を学べるのも魅力。

また科研費では難しい,ビジネス感覚やクライアントに詰められるプレッシャー耐性もできるはず。

凄く運が良ければ共同研究先に研究職で内定!できる人もいます。私の周りでも共同研究先に内定!した心理系の人がいます。

 

「共同研究した経験」そのものが就活で評価される(?)

共同研究は「学外の人との協力」が不可欠。そしてその学外の人は「大人」です。

そのため,文系就職に必須な「コミュニケーション力」があることを示す貴重なエピソードになります。

実際フツーの文系就職(除くメーカー)だと「企業の方と共同研究しました!」というだけでコミュ力などが評価された…という知人がいました。

 

それに事情を知らない人からすれば意識が高そうに見えますしね。


とはいえ,企業との研究という特殊性から2つのリスクがあります。これを知らないで始めると痛い目にあうことも…

 

突然研究が中止になるかも…

メーカーが心理学を活かすときは「より良い商品」を作るための知見獲得が目的になっている!と言われました。
そういうこともあり,不況や不祥事などで企業が窮地に立たされたとき,共同研究そのものが中止に!というリスクがあります。

中止になった場合,共同研究でなくなるだけでなく研究そのものが続けられなくなり卒業が困難になることもあります。

実際に,私の職場(心理系)の上司が博士だったころ「共同研究先が買収されたため,研究が途中で中止に」なり博士号取得が1年延びたそうです。

 

特許で縛られるリスク

企業の利益の源泉である特許。これに巻き込まれるのは学生も例外ではありません。 もともとは論文化/学会発表したかったのに特許で縛られて発表できない!


特許持ちは就活でも評価されるようですが,論文化を目指している人にとっては不便。 共同研究を始める際に確認できるので必ず確認しましょう。

ただ卒業論文での発表であれば許容されるケースがほとんど。私の先輩も共同研究の一部を使って卒業論文を書きました。

 

自主研究(運営費交付金を利用)

ほとんどの学部生と同じく,自分の興味に合わせて卒論のテーマを決めるパターン。

科研費や企業との共同研究ほどはっきりしたメリットはありません。

ただし,自分で0からテーマを設定するのは貴重な経験だと思います。特に企業に文系就職した場合,数年は自分でプロジェクトを動かすのは難しい(と先輩方が言ってました)ので,このメリットは大きいです。

 

そもそも自分が好きなテーマだとやる気が続きやすいですしね。

 

まとめ 

就活/院試という要素から考えても一長一短がある研究テーマ選び。
企業さんからすれば「心理学なら誰でもOK」という側面が大きいですが今後に繋がるのも事実。

研究室とのつながりを重視するか,企業とのつながりを深めるか,それとも自分自身でゼロから開拓するか…

さてあなたはどうしますか?

 

【社名アリ】心理学を活かせる就職先3選

こんにちは。

今回は心理学を学ぶ学生である私の視点から,
こういう企業ならば自分の専門を生かせそうだ!という企業について考えてみます。

 

今回の記事を作成するにあたり,基礎心理学研究や心理学ワールドなどの学会誌をチェックしてみました。
これらの雑誌には心理学を活かして企業で活躍している人が毎回紹介されており「この企業なら心理学で応募できるかも!」という気持ちにさせてくれます。

 

POINT本記事は心理学を活かした研究開発職(技術職など)とマーケティングリサーチのお話です。主に実験心理学の方を対象にしています。

 

食品・化粧品

心理学の中でも知覚心理学を扱っている人ならチャンスがある企業達。実際にいくつかの企業は心理学専攻の人を採用しています。

 

「心理学ワールド」を見てみると,香りに関する研究や味覚に関する研究などが多いです。


どんな人が採用されているの?どんな会社があるの?

修士卒以下での採用は少なく博士での採用がメイン。過去には心理系博士卒で資生堂,花王,味の素への採用実績があります。

 

実際に就職した方と話した際「動物実験の経験は必ずしも必要ではないが,生理測定(唾など)の分析経験があるといいかも」というお話を頂きました。

 

同じ業界でも「心理系を採用する/しない」が明確に分かれています。
そして新卒相当の採用でも公募ではなく研究室のつながりによる採用がメイン。本気で採用を狙うなら学会等でのコネクションづくりが必要だと思います。

 

メーカーの中では比較的技術系採用が少なく,採用があっても生物や薬学,化学専攻の人と競合するため就職は最難関…というのが現状。また応募の条件として大学院修士卒以上と明記されていることも多いです

 

例えば,資生堂は「行動科学部門」として心理系の人を採用していますが,新卒採用での公募は行われていませんでした。*1 

 

ただし,他のメーカーに比べて職種別採用が進んでいて,研究開発職を職種別で採用することが多いです。
そのため,研究職でなければ大学に残る!と決めている人にはマッチしやすいかも。

 

機械・重工メーカーなど

私が採用された企業はこういったジャンルの企業。農機具・重工・家電…といったハードウェアの開発職です。

 

企業によっては「感性工学」とか「官能評価」といったジャンルで仕事を行うこともあります。入社後はモノ(機械)の使いやすさに関する研究開発に従事。生理測定をすることもあるようです。

ネット上で検索するとそれぞれの企業でどんな取り組みをしているのか?新卒で採用の見込みがあるのか?を調べることができます。

どんな人が多い?どんな会社がある?

こちらは人間工学などの研究をしている人が採用される傾向にあります。そのため就職時のライバルはUXデザイン,芸術工学などになります。

モノの使いやすさの研究開発という職種の都合上,ほとんどの場合完成品を作っているメーカーでの採用になります。*2

 

機械・重工系のメーカーは比較的採用数が多いこともあり,修士以下の学生にも応募のチャンスが開かれています。また学校推薦のチャンスが多いのも魅力。


私も体験した学校推薦のお話はこちら


私が実際に見た,学会誌等に書いてあった範囲では,
心理系博士→トヨタ自動車,心理系博士→三菱電機,心理系修士東芝などのパターンがありました。
食品・化粧品に比べて数が多いですし,少なくとも形の上では学部生でも応募できるようになっています。

 

食品・化粧品系の企業と異なり,初期配属が決まっていない状態で入社することがまだ多いです。(日立製作所のように配属先確約の場合もあります)

 

ちなみに…

少し業界が違うかもしれませんが,鉄道の研究を行っている鉄道総合技術研究所(鉄道総研)は心理学専攻の人専用の採用枠があります。

また修士卒であれば産業技術総合研究所(産総研)で人間工学の研究職を採用する年度もあります。

 

マーケティングリサーチ

マーケティング施策(主にB to Cでどうやったら商品が売れるか?)を考えるための調査を行う企業です

 

学部生・院生関係なく採用してくれる傾向があり,しかも大学名にはあまりこだわらない傾向(特にマクロミルにはその傾向が強い)ため,いろんな人が応募しています。

心理学出身で生かされるスキルは心理統計と社会調査のスキルでしょうか。海外のニールセンのように,脳波測定等まで行える大企業はまだまだ少ないのが実情だと思います。*3

 

どんな人が多い?どんな会社がある?

基本的には文理不問で一括採用ですが,ヒトのこころを扱うため心理系学生には結構人気です。私の大学からも例年採用されています。

 

研究開発を行う上記のメーカーと異なり,ある意味誰でもウェルカムなのが特徴。
とはいえ質問紙調査を多く行う社会心理学や臨床心理学(ケース研究はあまりあてはまりませんね…)の人には大学での経験が活かしやすいと思います。

 

ただ,質問紙調査はあくまで手段です。調査そのものが好き!だけでは内定に至らないのが現実。私自身もその点を面接で指摘されました...

 

私は業界大手であるマクロミルインテージ両社のインターンに参加しましたが,結構社風は違うと思います。

 

マクロミル社の方がベンチャー気質が強いような…とはいえどちらの会社も割と元気かつイケイケな方が多かったと思います。 20卒の段階ではインテージは総合職で,マクロミルは職種別採用を行っています。

 

まとめ

学会誌などを見てみると,意外な企業で心理学専攻の人を採用していることがわかります。採用の大部分が博士とはいえ修士以下でもチャンスがあるのも事実。

学会誌や学会参加でいろいろと調べてみてくださいね。

*1:おそらく,ポスドクや博士を対象に採用していると思います

*2:デンソー等例外もあります

*3:マクロミルのグループ企業であるセンタンのように,脳波測定等を専門にする企業もありますが...

【実体験】就活が楽になる?推薦のメリット・デメリット各3選

こんにちは。

 

無事に就活が終わりました!万歳!
私の就活は約1年間とそこそこ長かったのですが,その流れはまたおいおい書くとして

今回は主に理系の人が対象になる推薦について書いていきたいと思います。

 

 そもそも大学院進学か就職かを決めていない学生の方はこちら!

husbird.hatenablog.com

 

推薦とは?

学校推薦,推薦応募などの略。主に日系企業の技術系採用で行われる。*1企業側が特定大学の学部・学科を指定して「何人推薦してください!」といって学生を推薦してもらう制度。

内定したら必ず入社することを条件に,選考フローが一部省略される。ただし,どの程度優遇されるかは企業により異なる

 

上にも書いたようにどの程度優遇されるか?が推薦のキモです。応募すれば全員内定がもらえる企業もあれば,書類選考のみスキップされ,容赦なく面接で落としにかかる企業も...

私の場合

私は心理系ですが,学校推薦で内定を頂きました。*2その体験談も含めて書いてみます。

 

~2月

恥ずかしながらほとんど知らない企業だった。

 

3月上旬

就活解禁。他の文系就活生同様にリクナビマイナビからいろんな企業にエントリーする。*3

 

3月中旬

(当時の)第一志望だった豊田中研の事務職にあっさり落とされ凹む。そのほかの企業については概ねエントリーシートを作成・提出する。

 

3月下旬

いくつかの志望度の高かった企業から不採用を頂く。たまたま研究室のメーリングリストを見ていたところ,今の内定先が技術系・学校推薦を大学に出していることを知る。

 

「とりあえず話を聞いてみるか」程度のノリでOB(リクルーター)の方と面談をする*4

 

学部卒でも研究開発できるの?学位取得のサポートはあるの?仕事の実際のところは?などいろんな疑問がありましたが,リクルーターに聞けることは少なく,それ以外の社員の方,家族等にいろいろ相談した結果,この企業に推薦で応募することに。

 

4月下旬
リクルーター・その他社員からいろいろアドバイスを頂いたのち,SPIエントリーシートを提出する。(推薦なので,これらは選考には使われませんでした…)

 

リクルーターや社員の方には45ESを添削していただきました。

 

GW
面接対策用問答集を自作。

 

5月中旬
キャリア面談(実質的な最初で最後の選考)が行われる。面談という名前はついているものの,明らかに選考だった。この面談ではうまく答えられなかった


同じ日に筆記試験も行われました。内容は大学レベルの数学(線形代数微積)と物理(機械力学を中心とした力学)でめちゃくちゃ難しかった5月下旬に合格を頂く。

 

6月上旬

最終面接。とはいってもSkype10分程度雑談してその場で内定を頂けるというものでした。

 

,結局推薦で応募してよかった?
内定を頂けたからかもしれませんが,私はとても良い選択ができたと思います。
いくつか注意すべきことはありますが

 

メリット

圧倒的に内定が取りやすい

企業が推薦枠を出す大学・学部は限られているため,競争倍率がそもそも低いです。

また多くの場合選考の一部が省略されます。実際に私の内定先では自由応募で応募すると技術系でも面接が3回あるのですが,

推薦だと1回になります。

 

(心理系の場合)推薦があったから応募できた

やっていることは理系っぽくても,学部名が文系だから応募できないということが就活をしていてたくさんありました。UXデザインなどのスキルを求めている企業なのに「理系限定」で採用する企業も多く,悔しい思いをしたこともあります。

 

推薦があることで,応募するハードルがものすごく低くなったと思います。

 

リクルーターなどのサポート体制がしっかりしている

インターンに参加した企業ならばまだしも,説明会にもインターンにも行っていない企業だと実情がよくわかりません。そんな状態で応募しても不採用になることは目に見えています。

 

しかし,人事以外の社員の目線から仕事について説明してくれたり,ESの添削などのサポートをしてくれるリクルーターがいることで選考を有利に進めることができます。

人事は事務系出身者が務めていることも多く,技術的なことはよくわからない,ということも多いです。特にメーカーではリクルーターなど自分の選考を応援してくれる社員がいることは大きなメリットになります。*5

ただ,心理学専攻でメーカー技術職を受けても「リクルーターも心理学を知らない」ケースがほとんど。その点は注意が必要です。

デメリット

私は特に感じませんでした。ただ多くの理系学部では推薦に対して学校としてどう対処するかをしっかり決めていて,大学側の圧力がデメリットになるケースも。*6

 

自由応募では応募できなくなる企業も

大学・企業によりますが,推薦枠のある学科からは自由応募を認めないことにしていることがあります。実際私が応募したNTT研究所などはこのパターンをとっていました。

理系学部の場合,「あなたの学科には推薦枠あるけど,なんで自由応募で来たの?本命じゃないよね?」と突っ込まれることもあるようです...

 

推薦結果がわかるまで,自由応募できないことも

大学によっては,推薦の選考が進んでいるうちは自由応募は認めない!というケースもあります。20卒の場合,推薦は3月以降にしか選考を始められないため,推薦に落ちた後に自由応募で就活を始めたはいいけれど,もう応募できる企業がないというケースもありえます。

 

21卒以降経団連による就活のルールがなくなります。そうすると今までよりも早く推薦の選考も行われるため,いろいろと変わってくるかもしれません。

 
「推薦取得=内定」ではない企業も

 推薦で応募した際にどこまで企業に優遇されるか?は企業によって大きく異なります。
ほぼ全員が内定をもらえるような企業もあれば,私の他大学の友人が受けた企業のように「推薦で受けても内定率が2割」という企業も。


また,私が受けた企業でも「昔に比べて推薦での合格率は低下傾向」にあるらしく,以前とはだいぶ変わってきています。

第一志望であることを強要されるに見合ったリターンがあるかは,企業とその時の運次第でしょうか。

自分のキャリアを真剣に考えなくなる

私は自由応募で15社以上に落ちましたが,推薦で受けた内定先はとても効率的に進めることができました。ただ,推薦で決めたい!という思いが強いあまり本当に行きたい企業なのかをよく調べずに応募してしまうケースもあります。

 

最後に 

推薦といえば理系,という風に考えがちですが,心理学でも推薦が取れることもあります。

また大学での学びを企業に!という社会的な流れがある中で,文系でも推薦応募が可能な時代が来るかも。学校から流れてくる情報にアンテナを伸ばしているといいことがあるかもしれませんよ。

*1:外資系は自由応募がほとんどです。そもそも電機や半導体,自動車や重工系の企業で新卒を採用する外資系は少ないと思いますが

*2:企業・大学ともに初めての試みのようです

*3:とはいえ解禁前にお応募する企業を絞り込んでいたため,20社程度と文系にしては少なめでした

*4:応募後に知ったのですが,この企業では説明会 or OB訪問が必須でした

*5:もちろんリクルーターは人事と直結しているため,すべて事実を話してくれるわけではありません。また私が受けた銀行では,リクルーターによって選考が行われていました

*6:逆に言うと,私の学部では推薦に慣れていなかったため,何の規制もありませんでした。というか内定したら辞退できないということすら言われなかった