滋賀大データサイエンス学部,確率分布と統計的推測の解答

センター試験が終わり1週間。明日から国公立大の出願が始まります。
このブログを見てくださっているもの好きな受験生は、この記事がきっかけの人も多いのでは?

 

husbird.hatenablog.com

 

ネットを徘徊していたところ大学入試で確率分布と統計的推測が出題されていました。

具体的には画像を見て欲しいのですが、滋賀大学データサイエンス学部2017年前期の第3問Bです。

確率分布を必ず出題する!と発表されているので解いてみましたが、妥当な難易度でしょう。統計検定2級よりは簡単な問題だと思います。
センター試験で十分に対策していれば解けるでしょう。

 

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具体的に書いていきます。
1.分布名を聞く
2.平均と標準偏差を求める(2項分布なので楽)
3.信頼区間構成(母比率の区間推定)
4.適切なサンプル数

問題は簡単でしたが(一橋のデータの分析よりは)、いくつか気になることがありましたので追記します。

1.95%信頼区間(両側推定)のときは1.96を掛けるのは一般的な知識ですが、分布表なしで暗記前提で解かせるのって、学習指導要領的に大丈夫なんでしょうか?
2.信頼区間を半分にするためにサンプル数が4倍になるのは一般的に知られています。
今年のセンター試験でも類題が出題されました。
念のため計算で示しましたが...

 

〇〇大学で確率分布と統計的推測が出た!というのがありましたらご連絡ください。
なおこの学部の後期入試は総合問題という名目なのですが、完全にデータの分析(数1)のみになっています。

念のため公式サイトの問題を引用しておきますね。

http://www.shiga-u.ac.jp/wp-content/uploads/2016/08/DS_mathsamleproblems.pdf

感情はどこから来るのか?~4つの説

※この記事は以前作成した記事「バードの由来は?~キャノン・バード説について」を大幅に増補・改訂したものです。

 

こんにちは、ばーどです。

私が学んでいる行動生理学の世界では「感情はなぜ起こるのか?」に関する論争があり、その完全な回答はまだ出ていません。しかしいくつかポピュラーな説があるのでそれを紹介してみたいと思います。(私自身のテスト勉強のためでもあります...)

  1. 感情の認知ってなんで大事なの?
  2. ジェームズ・ランゲ説
  3. キャノン・バード説
  4. シャクターらの説
  5. フェイシャルフィードバック仮説

 

今後もこのブログでは脳の仕組みみたいなことを書いていくと思いますが、素人向けにもわかるように説明していきたいと思います。

1.なんで感情って大事なの?
動物に特徴的な行動というのもありますが、危機回避時の行動の促進という効果が大きいです。


2.ジェームズ・ランゲ説
「悲しいから泣くのではない、泣くから悲しいのだ」という名言で知られる学説です。心臓の拍動や筋肉の緊張などの生理的な変化を脳が認知して、感情が生まれるというものです。

末梢神経の生理的変化→大脳による認知→感情の発露
というのがルートです。

ただし、末梢神経系と脳の結合を切断したイヌでも感情表出が見られる(もしこの説が常に正しいならばこのようなことは起きないはずです)ため一部当てはまらない例もあります。

直感的には、無理やりでも笑ってみると気持ちが前向きになることもあるためこの説がフィットしているような気もしますね。

3.キャノン・バード説
感覚器官から視床に情報が送られ、その後大脳を経由して末梢神経系に興奮が伝えられることに焦点を当てた学説です。視床が感情を生み出すのに主要な役割を果たす重要な特徴です。

4.シャクターらの説
刺激によって生じる身体反応を認知系が解釈することによって感情が生じるとする説。
認知によって一種のラベル付けを行うというもので、情動の2要因説と呼びます。

同じ身体反応を生じさせる薬を投与したときに、
a.薬の効果を説明する群
b.薬の効果を説明しない群
に分けたところ、同じ薬を投与したにも関わらずaでは落ち着いた反応が見られたにもかかわらずbでは著しい興奮が見られたことが根拠とされています。

5.ルドゥーの説

脳内には感情に関するルートが2つあるとする学説。「速いが粗いルート」と「遅いが可変性に富むルート」に分けられています。

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画像はhttp://mindful-music.jp/amygdala-hijacking/より拝借しています。

 上の画像を見てください。
緑色の細い矢印が通常のルートです。目から入った情報は視床と一次視覚野を通じていますが、赤い迂回ルート(速いが粗いルート)は視床から扁桃体に直接入っています。

画像のような蛇を見た時に「ヤバい、逃げろ!」となり逃げるのは赤いルートです。
蛇をじっくり見たら「なんだ、おもちゃじゃん!」となるのが緑のルート。つまり2つのルートは緊急時の回避に使われていたのですね。

感情を巡る議論はこれからも続きます...

2018年センター試験数学2B確率分布と統計的推測の解答速報をおそらく最速で公開しました。

5受験生の皆さんセンター試験お疲れさまでした。センター試験公式や予備校は解答を公開していませんが、空気が読めない私はおそらく最速で確率分布と統計的推測の回答を公開します。

 
※解答公開後に解答記号トナは88であることが判明しました。申し訳ありません。

おかげさまで話題にしていただいて嬉しいです...

さてここからは詳細な分析を...
(1)

アイは単純な確率を答える問題なのでカンタンです。ウエは最初二項分布で解ける!と思ったのですが繰り返しではないのでこれは一般的な公式で解きましょう。

オカは確率変数の変換の問題。大学受験の統計では重要な項目ですが、日本統計学会の「統計学基礎」(統計検定の公式教科書)にはなかったと思います。(見逃していたらごめんなさい)統計学の理解には役立たないのでしょうか?

 

キはsとtをsX+tに導入する連立方程式の問題です。

(2)

クケはPとCの区別が求められます。私は一応aを使って解きましたが、センター本番ならaに適当な数値を代入しましょう。その方が速いです。

 

コ~スは二項分布の問題。いつもは(1)で出題されるイメージなので少し驚きました。

セ~ナは入試頻出の平均に関する信頼区間を求める公式です。私のように標準正規分布表を読み間違えないようにxのままか1-xとするのかは確認が大事です。

 

(3)

ナは普通に確率を求める問題です。

ヌ~ハは母比率に関する信頼区間の問題。平均とは公式が違うので注意。

ヒはそのままも求めてもいいですが、公式を見てみましょう。標本数が増えると信頼区間の幅が小さくなるのは極めて重要な性質です。標本比率が0.5に近くなると信頼区間は大きくなるのは受験生にとっては少し難しいと思います。

 

受験生の目線で全体的に考えてみると、昨年よりも明らかに簡単になっています。他分野は見ていないのでわかりませんが、2015年度本試験並みのレベルの低さでしょう。これならばセンター直前1週間で対策を始めても間に合うレベルです。

 

husbird.hatenablog.com

 おそらくこの記事内で紹介したセンター向けの本でも満点が取れるでしょう。以前から様々な場所で言っている通り、難化しがちな数列やベクトルに比べて確率分布と統計的推測のコスパはいいと思います。

 

評判がいいので滋賀大学データサイエンス学部の問題も解答速報出そうかな...

Pythonを始めました! for 心理学

こんにちは、ばーどです。


数日間更新が止まっていた理由はpythonという言語のプログラミング学習を始めたからです...

 

 1.pythonとは?

2.心理学では何の役に立つの?

 

Pythonとは?

コンピュータープログラミングの一つで、コード(プログラミングの文章)を読みやすい、機械学習に強い、初心者にも学習しやすい…などの理由から急激にシェアを伸ばしている言語。プログラミング言語ごとの年収ランキングで上位になるなど、実用の世界でも注目されているらしいです。

 

多様なジャンルに用いることが出来ますが、主に機械学習(コンピューター囲碁でロボットが人間に勝ったヤツとか)やAIなどに使われています。なおRと違って統計に強い言語ではないですが、データ分析にも使えるようです…

 

プログラミングと心理学ってなんの関係があるの?


臨床系ではほとんど使う必要がないと思いますが、基礎系では「パソコン画面上に刺激(図とか)を提示してそれに対する反応を見る」というタイプの実験を行うことが良くあります(学部生の研究ではこれが大半な気がする…)。このときに必要なのがプログラミングです。


特にヒトの脳をコンピューターに近似して比較しようとする認知心理学の世界ではよく使われているように感じます。(私が学部生の実験に参加したとき、ほとんどが画面上への刺激提示でしたから…)

そのため阪大の場合、1年生の前期(大学では1セメと言うんです!)でプログラミングを学習する授業があります。
もちろんプログラミングをやりたい!という人は人科には少ないため、pythonなど本格的なものではなく、もっと簡単なものです。具体的にはScratchというものを使います。

scratch.mit.edu

これは専門的なプログラミング用語(pythonならばforとかlistとか)を使うことなく、決められた画面上のボタンを押すだけで日本語でプログラミングをすることができます。さらに実際に動かすことが出来るので、子供向けのプログラミング教室で用いられているとか…

プログラムはこんな感じになっています!

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少し見にくいかもしれませんが、ボタン状のものを組み合わせているため、これならば初心者にもわかりやすそうです。(もちろん日本語対応)

 

最近では、理系人材が求められる中で将来性がある、対人コミュニケーションなしでできる、などの理由から発達障害を持つ人に向いている仕事の一つにプログラミングが挙げられ、発達障害児向けのプログラミング教室や、プログラミングを教える就労移行支援施設なども設置されるようになっています。

www.gifted.academy

 

なかなか面白そう...発達心理学の世界でも一つのトピックになるかもしれません。

 

実は今回プログラミングを始めたのは実際会社で働きながら履歴書に書けるスキルを身に着けるインターンに参加するためのものなのですが…参加できる日は来るのでしょうか…?

 

今後は細々とプログラミングに関する記事を書く...かも。

ルドルフ2世展@福岡に行ってきたよ!

お久しぶりです。しばらくある事情により更新できていませんでした...その理由はtwitterでほのめかしていますが、近々お知らせします。

 

さて現在東京のBunkamuraで行われているルドルフ2世展ですが、年末まで福岡の福岡市博物館で行われていました。出張で福岡に行った際に訪れたので写真ととも少しだけネタバレ!

公式サイトはこちら!

www.bunkamura.co.jp

 

ざっくりいうとルドルフ2世という16世紀後半の神聖ローマ帝国皇帝が集めた文化的なものを一堂に集めました!という展覧会。父ブリューゲルやボスなどの名前はありますが、超有名人(高校の世界史教科書に載るレベル)のものはありませんでした。

 

それでも政治嫌いの彼が芸術に没頭する理由、アルチンボルドの作品を真似して新しい時代を切り開こうとする画家たちの絵画には不思議な魅力を感じます。

絵画が7割くらいを占めていますが、立体物(陶器とか)も若干ありました。ポスターに使われているアルチンボルドの絵については「絵の中にある果物が何か?」について全て説明があり、素人でもわかりやすい!(花瓶と花の絵画もありましたが、すべての花について説明がありました)

個人的に最も気に入ったのは、ルドルフ2世の春、夏、秋、冬の顔の絵を実際にオブジェにしたものです。やっぱり立体にすると質感が違う!(この展覧会では最後の「四季」のみ撮影可能です)

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たぶんアルチンボルドの「夏」です

他にも自分の顔をアルチンボルドによる肖像画で表現する!という「アルチンボルドメーカー」が福岡会場限定でありました。

福岡会場最終日(クリスマスイブ)に行ったところ40代くらいの方が結構多かったです。たぶん若い方も大丈夫なはず...

さてその後常設展で「金印」を見てきました。その画像がこちら。

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そこそこ大きいですが現実は...

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ライトに照らされて光っている小さいヤツが金印です...ただなかなか面白いですよ(それ以外の言葉が見つからない)

 

ルドルフ2世展は東京の渋谷Bunkamuraで3/11まで開催されています!興味のある方はぜひ!

「発表者の倫理」~エビデンス?ねーよそんなもん~

みなさんこんにちは、ばーどです。

数日前にtwitter朝日新聞の記者が「なぜ書くか?エビデンス?ねーよそんなもん」

という発言をし、特に研究者の方々から激しい批判を受けました。

例えば生物系ポスドクのつなぽんさんは以下のように皮肉っています。

 

 しかし社会学におけるメディアの考え方からすれば「まあそうですよね...(エビデンスなくても書けますよね)」となってしまいます。

様々な議論が巻き起こった今回の元の記事はこちら!

www.nikkan-gendai.com

 

まず今回のことを議論する前に考えたいのがポスト事実という概念です。
オックスフォード英語辞典によれば「世論を形成する際に、客観的な事実よりも、むしろ感情や個人的信条へのアピールの方がより影響力があるような状況」だとされています。

最近の例ではイギリスのEU離脱などが例ですよね。


ただ、私の印象では新聞は世論を動かすことが仕事(真実である必要はない)という感じです。というか私達はメディアの報道を真実にしていますから。報道の自由の問題もありますし…


一方研究者は、面白くなくても真実にこだわり続けるべきではないか、そんな風に感じています。


多分追加しますがとりあえずここまで。

ビギナー向けの統計学~推測統計学編

こんにちは!ばーどです。

過去2回統計学の記事を掲載したところ多くの方が見てくださっています。なんと100人以上!

 

husbird.hatenablog.com

 

 

husbird.hatenablog.com

 (特に下の記事が人気!)

 

いつもは研究向けですが今回は珍しく高校生向けの記事です。
センター数学2Bはのうち数学B領域は「数列・ベクトル・確率分布と統計的推測」の中から2単元を試験当日に選択回答する仕組みになっています。

 

数学2Bが不安…頑張って勉強しても数列が出来なかった…そんな方は「確率分布と統計的推測」を勉強してみてはどうでしょうか?

 

入試科目として使えるだけでなく「大学入学後の授業に役立つ」ので非常にお勧めできます。(心理学部では統計学必須です...)

 

でも残り3週間で何ができるか?実際に間に合うの?という不安を持つ人も多いはず!
具体的にやることは…
1.確率分布のうち二項分布を出来るようにする。
2.標準正規分布区間推定が出来るようになる。
3.標準分布表が読めるようになる。

この3つです。模試の問題も出題が始まって3年でかなり増えてきましたし、センター過去問も3年分あります。「一時間もあればやり方がわかる」、「お決まりの公式に当てはめるだけで20点満点を確保できることも多い」、「数学的思考力一切不要」です。さあ初めてみてはどうですか?

 

 

早速具体的に説明していきます!
1.二項分布とは?
(母数,確率)の二つがわかっている分布のこと。ここから分散と平均(期待値)を求めます。

B(n, p)にしたがう確率変数X に対し、X の期待値 E[X] は、

E(X)=np

分散Vは

V(X)=np(1-p)

で求められます。

2.区間推定とは?
統計学の一部で「母数は95%の確率でここからここまでの範囲にあるよ!」ということを考えるものです。解答解説を見てもらえればわかると思いますが「1.96」が出てくるアレです…

 

3.標準正規分布表とは?
B(0,1)の分布のこと。
センター試験でよく出てくる例としては以下のようなものです。
a.Aさんは5000人が受けた平均点が50点,標準偏差10点のテストで60点であった。このときAさんは何位から何位にいると推測されるか?

やることは単純です。
1.平均、分散、標準偏差を確認し、求める。
2.標準化する(0,1)の分布に変換する。
3.「完全に決まっている公式」に無理やり当てはめる。
4.Z得点というものが出てくるので、標準分布表を読んで対応させる。


5.答えをマークする

やるべきことが恐ろしいほど毎回同じです。

 

確率密度関数が掲載されていないという問題があり、評価が割れていますがいい本だと思うので紹介します。

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リンクはこちら

https://www.amazon.co.jp/教科書だけでは足りない大学入試攻略確率分布と統計的な推測―少ない勉強量で高得点がねらえる分野を攻略-河合塾シリーズ-長谷川-進/dp/4777217833/ref=pd_lpo_sbs_14_t_0?_encoding=UTF8&psc=1&refRID=XS7PXQ2SGRJ1D09TW7Y7

 

今回はここまで...