悩ましき大学院説明会

お久しぶりです。ばーどです。

私自身大学3年生になりました。就職か進学か、就職ならば公務員を受けるのか、進学ならば内部進学か、外部を受けるのか...そろそろ決めなくてはなりません。

私が高校生の頃は就活の開始も遅かったですし、夏休みのインターン外資系を除きほぼ皆無でした。それがたった数年で「インターンは就活の選考」という考えは関西でも一定レベルの大学ではほぼ常識になる...非常に驚いています。

 

阪大に入学した時点では、博士まで進む!と決め込んでいましたが、職場で活躍する修士、博士号保持者の話や、悩みながらも高級官僚に採用に挑んだ先輩、中堅校からその分野ではトップクラスの外部の研究室に進んだ先輩...の話を聞くにつれて就職もありかなあ...と考え始めています。

そろそろ進路を決めないといけないけど、就活関連のイベントは夏休みまでほぼないし、院試の説明会は来年の4月、おそらくそのころはかなり忙しいでしょうなあと思い、京大大学院の説明会に行ってきました。

学生を見ているとほとんどが4年生で3年生が若干名というところ。比率で言えば5対1位でしょうか。

 

このサイトを見てくれている高校生の方ならば大学の説明会には行ったことがあるはず、しかし大学院の説明会とは?ということでまとめてみました。

大学の説明会orオープンキャンパス

・大学の教育、就職について「説明係の職員or教員」から説明がある

・基本的には学生とお話をして、大学のムードを探る

・夏休みに行われるのが通常、特に私大では全学的なイベントとなる

 

大学院の説明会

・大学院での研究内容について、教授と「相談」する

・学生とお話しすることは基本的にはない(NAISTのように例外アリ)

・基本的に4月から5月の土日に行われる、学部(研究科)ごとに日程はバラバラ

 

教授に「相談」するということは〇〇学について興味があるんですよねえ...と言うだけではなく、具体的にどのようなアプローチでどんな研究をしたいのか、卒業後は博士課程か就職か?などある程度具体的な計画が求められます。(私はまだ3年生なので、まだ1年あるからある程度テーマが絞り切れてなくても仕方ないよね...とは言ってくれましたが)

総合職採用でどんな仕事をするかは会社次第、という企業とは逆に非常に高い自主性が求められるように感じました。

 

相手をしてくれた教授にやりたい内容を伝えたところ、「その研究ならば〇〇研究科の方があっていると思う」と言われてしまったので多分受けないような気がしますが...自分の希望内容が決まってくるかもしれませんね。

 

大学受験で思うような成果が出なくて、編入や再受験を考えている皆さんも、大学院の説明会に行って教員と話してみることでヒントが得られるかもしれません。

ASD新入生大学生活準備支援プログラムに参加してきました~違和感とともに生きる

こんにちは、ばーどです。

 

今回の記事は前回の記事を書く基になったものです。前回の記事はこちら↓

 

husbird.hatenablog.com

 

心理系の世界では話題になった(?)ASD新入生大学生活支援プログラム。結構メディアでも話題になったようです。例えば↓

www.asahi.com

 

私の将来の研究テーマと近い、大学教員とつながりを深めたいなどという思いもあり、私は学生スタッフとして参加してきました。

 

私自身はASD当事者ですが、今回はそのことをクローズにしたうえで参加しています。当事者を客観的にみると私はどんな気持ちになるのだろう?などなどいろいろなことを考えていました。今回はそのなかで感じたことのうち、公開しても支障のないものに絞って書いていきます。

 

※私自身は予定があったため、初日しか参加していません...

 

1.大学からの障害支援は「当事者が主体」

私自身は大学入学後に検査してわかったため、高校までは特に配慮は受けていませんでしたが、基本的に高校までの支援は「スタッフ主体」の傾向が強いとされています。ある程度本人が受け身でも支援がされる...そんな環境が多かったのではないでしょうか。

今回繰り返し考えたのは「当事者が主体」となるにはどうすればよいか?ということです。私自身は比較的他者に助けを求めることに抵抗がないのですが、当然ながらそのことに抵抗を感じる人もいます。

しかし大学では自分から助けを求めないとどうしても支援が得られないのが現実。
私がお話ししたときにも「いかにして助けを求めるか、どこが助けてくれるのか?」ということを伝えたつもりです。どこまで通じるだろう...

 

2.事前準備はめちゃくちゃ大事

今回はすべての授業には参加できなかったのですが、出来るだけ大学の実際の授業に近づけよう、というスタッフの努力が感じられました。もちろん完ぺきではないですが、発表が多くなる、など高校とは違う部分を中心にしていました。

参加者の皆さんがどう思ったのかは知りませんが、私個人としては「入学前にこんなの受けたかった!」ある程度「大変そう...」というのがわかっていればだいぶ良い準備が出来たような気がします。

今回のイベントが成功だったのかは入学後彼らがどのように生活するかを見るまでわかりません。ただ、何かのきっかけになれば、そんな風に当事者でもある私は感じました。

違和感とともに生きる~大学不適応を防ぐための4つのtips

皆さま、ご無沙汰しております。ばーどです。

私のいる阪大では入学式も終わりいよいよ月曜日から授業、というタイミングになりました。

 

というわけで今回は在学生から新入生向けのアドバイス(といっても別に阪大生以外も参考になるはず)を書いてみたいと思います。ただし意識高めのブログにあるような、「インターンしよう!」とか「留学しよう!」といったものではありません。

 

どちらかと言えば大学になじめずにいる人、再受験しようかな...と考えてる人、不登校になりそうな人、そんな人に向けて記事を書いてみます。

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実は私自身、かつては別の私大にいました。当時は「偏差値が低いからクソみたいな学生ばかりなんや!」と思って阪大に移ってきたのですが、今落ち着いて考えれば「大学という空間になじめなかったのを偏差値のせいにした」ように感じます。

 

a.なぜ大学不適応が生まれるのか?

1.自由すぎる授業

学校にもよりますが、高校までは先生方は「教える」ことだけが仕事とされています。そのため生徒の有無を毎回確認しますし、極端に成績が落ちると「何かあった?」と聞いてくれるかもしれません。

 

しかし大学は来るのも自由、サボるのも自由、成績は全て自己責任というのが基本的なスタンスです。(最近では管理重視の大学もありますが、前いた大学や阪大ではそうでした)そのため急激に自由になります。

 

2.人間関係を自分で作らないといけない

高校までであれば、程度の差こそあれクラスというものがあり、文化祭など何らかのイベントがあったはず。なんとなくみんなの流れについていけば「友達っぽい人」は出来るはずです。

 

大学に入って選ぶ所属は主に、サークルや部活、アルバイトやインターン等に分けられます。これらの人間関係を決める時に大人が助けてくれない、全部自分で決めないといけない...というのがストレスになると思います。

 

そして一番大きいのが「入学直後のストレスがたまる時期に人間関係を決めないといけない!」という風に在学生から言われることです。ありがちなのが「今サークル入って友達作らないとぼっちになっちゃうよ!」と言われたりすると新入生は焦ってしまいます。

 

3.有り余る時間

高校まで部活をやっていた人なら、朝練があって授業を受けて、放課後部活をやって夜は予備校...みたいに朝から晩までスケジュールが埋まっていた人も多いのではないでしょうか。

 

大学になると授業の時間が減り「暇な時間」が急激に増えます。この時間をどう使うか?悩んでしまう人が多いように感じました。

 

私としてはこれらが入学直後に大学不適応を生む理由だと思います。

 

b.では具体的に何をすればいいの?

1.適応できないかも...ということは頭に入れておく

今までメンタルヘルスの問題がなかった人も「ひょっとしたら自分も...」ということは覚えておくといいでしょう。心構えがあるだけでだいぶ状態はよくなります。

 

2.人に頼ることを恥ずかしく思わない

さすがに高校時代の友人に相談するのはやめましょう。彼らも大変です。下手したらその友達を失うかも...。初めて会う人ではありますが、大学のカウンセリングはオススメです。専門の人なのでとにかく聞いてくれます。かれらはアドバイスをくれるわけではないですが、自分の気持ちを整理するきっかけになるはずです。

トップページ — サイト (大阪大学キャンパスライフ健康支援センター)

こんな感じの施設です。プライバシーは保護されるのでご安心ください。

 

ここのスタッフたちは「どうすればキャンパスに通えるようになるか?」を一緒に考えてくれる方々です。仕事柄かかわりがありますが頼れる方々だと思います。

 

3.焦らない

大学入学直後は「サークルの新歓は今だけ!」とせかす傾向があります。しかしそれ以外の時期でも受け入れてくれるサークルは少なからずあります。まずは「大学に行けるようにする、人ごみになれる」ことを目標にするといいでしょう。入学式直後のキャンパスにはたくさん人がいますが、しばらくすればだいぶ人の数が減ってきます。

 

4.学外にも目を向ける

大学生になると学外での活動も大事です。当初大学になじめなかった私は学外のイベントにかなり足を運びました。政策立案コンペ、研究の団体、インターン...学外であれば自分の関心を共有できる人も少なからずいますし、これらの募集は入学直後以外の時期にも多くあります。私の場合、ここで阪大学内の友人に出会ったりしました。

 

私からのアドバイスは以上です。

新入生の皆さん、くれぐれも焦らないでくださいね!

臨床心理士の現実~働いてみてわかったこと

こんにちは、ばーどです。

昨日は臨床心理をやりたい!という受験生向けに記事を書きました。

(公認心理師と何が違うの?など)

 

husbird.hatenablog.com

 

昨日の記事に「臨床心理はそんなにキラキラしてないし、生生しい現実もある」と書きましたが、今日はその話をします。

昨年の夏から数か月間「発達障害をもつお子さんを専門に扱う療育や塾」でスタッフをしていました。

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実際はもっと授業っぽいことしてました


実際に働いてみると、「教科書であんなに書かれていた療法では全く効果がない...」

「なんでうまくいかないんだ?」などなど臨床における難しさもありますが、実際に生徒さんの進路が決まったときなど嬉しいことがあるのも事実。

それ以上に過酷だったのは報酬、特に正社員の皆さんの給料です。
(報酬と書いたのは雇用ではないからです。つまり労基法が適用されないことを意味します)

彼らのほとんどは院卒(大学院修士)、一部は博士後期課程を終えている方もいます。
そのような優秀な方々がほんの少数の正規雇用の枠を求めて100倍以上の倍率で競争しているのが、現在の臨床心理士の現状です。
正規採用されてもせいぜい額面の月給20万円だったりします。

さらに苦しいのが、「非正規雇用」の方の多さ。私の職場にいた方は院卒社会人であるにも関わらず非正規雇用の方でした。ある州のスケジュールを聞くと...

月曜日:うちの塾で療育の仕事

火曜日:A高校でスクールカウンセリング

水曜日:あるNPO不登校児の支援

木曜日:うちの塾で療育の仕事

金曜日:B中学校でスクールカウンセリング

全て非常勤職員としての採用。
しかもスクールカウンセリングは「学校が休みの期間は行われない」ため、さらに給料が下がります。

土日には学会で研修があったりと、なかなかプライベートも忙しいようで...

受験生の皆さんが臨床心理学に関心を持ってくれるのは嬉しいですが、安易に目指されて困るのはクライアント(相談者)の皆さん。
その辺もよく考えて志望して欲しいですね。

公認心理師になりその待遇が改善されることを切に願います。

その心理学部、本当に大丈夫?基礎分野と臨床分野

現在国公立大学の出願期間中、というわけで今回も受験生向けのアドバイス記事にします。

私は受験生の進路決定をお手伝いをする仕事をしているため、受験生から「心理学部に行きたい!」などという相談をよく受けます(おそらく阪大だからというのもありますが…)

ただ皆さんの様子を見ていて「その志望校で本当に学びたいことを学べるの?」
とツッコみたくなることが多いので今日はそんな記事を…
受験生の方で志望校を決めかねている方がいればぜひ参考にして欲しいです。

1.臨床心理士(公認心理師)と大学受験
受験生が心理学に関心を持つ最大のきっかけがこれ。多くの生徒さんが「カウンセラーになりたい、臨床心理士になりたい、だから心理学科に行こう!」と話してくれます。

ただ臨床心理士になるためには大学院修士までの6年間のスケジュールを考えて受験校選びをしなくてはなりませんし、公認心理師になってさらに難しくなると思います。

また、受験生が夢を持っているほど臨床心理士は生活しやすい仕事ではないですし、生生しくて汚い現実をたくさん見ることになります。
※私の経験上です。そのことは近いうちにブログ記事にします。

本気で臨床心理士を目指す場合、非常に重要なのは教育学部系の心理学科」でないといけないということです。
(例えば東北大ならば文学部の心理コースと教育学部の心理コースがありますが、文学部系では取得できないと思います)

※文学部系の心理学科では認知心理学など基礎系の内容をやります。
臨床心理学よりもむしろ認知科学に近く、学際性の高い分野とも言えそうです。
こんな感じ↓

 

husbird.hatenablog.com

husbird.hatenablog.com

 

臨床心理士と公認心理師になるためには異なる受験プロセスがあり(下の写真を見て)しばらくは両立していく形になるでしょう。

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大学受験生からすると入学時に「公認心理師を目指すのかどうかを決めなくてはならない」という少し厳しい内容ですね。

今後、阪大の内部の目線で臨床心理の資格やそれに関する授業がどのようになっていくか書いていきたいと思います。多少は社会人の方向けの記事にしていくつもりです...

滋賀大データサイエンス学部,確率分布と統計的推測の解答

センター試験が終わり1週間。明日から国公立大の出願が始まります。
このブログを見てくださっているもの好きな受験生は、この記事がきっかけの人も多いのでは?

 

husbird.hatenablog.com

 

ネットを徘徊していたところ大学入試で確率分布と統計的推測が出題されていました。

具体的には画像を見て欲しいのですが、滋賀大学データサイエンス学部2017年前期の第3問Bです。

確率分布を必ず出題する!と発表されているので解いてみましたが、妥当な難易度でしょう。統計検定2級よりは簡単な問題だと思います。
センター試験で十分に対策していれば解けるでしょう。

 

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具体的に書いていきます。
1.分布名を聞く
2.平均と標準偏差を求める(2項分布なので楽)
3.信頼区間構成(母比率の区間推定)
4.適切なサンプル数

問題は簡単でしたが(一橋のデータの分析よりは)、いくつか気になることがありましたので追記します。

1.95%信頼区間(両側推定)のときは1.96を掛けるのは一般的な知識ですが、分布表なしで暗記前提で解かせるのって、学習指導要領的に大丈夫なんでしょうか?
2.信頼区間を半分にするためにサンプル数が4倍になるのは一般的に知られています。
今年のセンター試験でも類題が出題されました。
念のため計算で示しましたが...

 

〇〇大学で確率分布と統計的推測が出た!というのがありましたらご連絡ください。
なおこの学部の後期入試は総合問題という名目なのですが、完全にデータの分析(数1)のみになっています。

念のため公式サイトの問題を引用しておきますね。

http://www.shiga-u.ac.jp/wp-content/uploads/2016/08/DS_mathsamleproblems.pdf

感情はどこから来るのか?~4つの説

※この記事は以前作成した記事「バードの由来は?~キャノン・バード説について」を大幅に増補・改訂したものです。

 

こんにちは、ばーどです。

私が学んでいる行動生理学の世界では「感情はなぜ起こるのか?」に関する論争があり、その完全な回答はまだ出ていません。しかしいくつかポピュラーな説があるのでそれを紹介してみたいと思います。(私自身のテスト勉強のためでもあります...)

  1. 感情の認知ってなんで大事なの?
  2. ジェームズ・ランゲ説
  3. キャノン・バード説
  4. シャクターらの説
  5. フェイシャルフィードバック仮説

 

今後もこのブログでは脳の仕組みみたいなことを書いていくと思いますが、素人向けにもわかるように説明していきたいと思います。

1.なんで感情って大事なの?
動物に特徴的な行動というのもありますが、危機回避時の行動の促進という効果が大きいです。


2.ジェームズ・ランゲ説
「悲しいから泣くのではない、泣くから悲しいのだ」という名言で知られる学説です。心臓の拍動や筋肉の緊張などの生理的な変化を脳が認知して、感情が生まれるというものです。

末梢神経の生理的変化→大脳による認知→感情の発露
というのがルートです。

ただし、末梢神経系と脳の結合を切断したイヌでも感情表出が見られる(もしこの説が常に正しいならばこのようなことは起きないはずです)ため一部当てはまらない例もあります。

直感的には、無理やりでも笑ってみると気持ちが前向きになることもあるためこの説がフィットしているような気もしますね。

3.キャノン・バード説
感覚器官から視床に情報が送られ、その後大脳を経由して末梢神経系に興奮が伝えられることに焦点を当てた学説です。視床が感情を生み出すのに主要な役割を果たす重要な特徴です。

4.シャクターらの説
刺激によって生じる身体反応を認知系が解釈することによって感情が生じるとする説。
認知によって一種のラベル付けを行うというもので、情動の2要因説と呼びます。

同じ身体反応を生じさせる薬を投与したときに、
a.薬の効果を説明する群
b.薬の効果を説明しない群
に分けたところ、同じ薬を投与したにも関わらずaでは落ち着いた反応が見られたにもかかわらずbでは著しい興奮が見られたことが根拠とされています。

5.ルドゥーの説

脳内には感情に関するルートが2つあるとする学説。「速いが粗いルート」と「遅いが可変性に富むルート」に分けられています。

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画像はhttp://mindful-music.jp/amygdala-hijacking/より拝借しています。

 上の画像を見てください。
緑色の細い矢印が通常のルートです。目から入った情報は視床と一次視覚野を通じていますが、赤い迂回ルート(速いが粗いルート)は視床から扁桃体に直接入っています。

画像のような蛇を見た時に「ヤバい、逃げろ!」となり逃げるのは赤いルートです。
蛇をじっくり見たら「なんだ、おもちゃじゃん!」となるのが緑のルート。つまり2つのルートは緊急時の回避に使われていたのですね。

感情を巡る議論はこれからも続きます...