研究者のタマゴ~心理学や統計学を語るブログ

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感情はどこから来るのか?~4つの説

※この記事は以前作成した記事「バードの由来は?~キャノン・バード説について」を大幅に増補・改訂したものです。

 

こんにちは、ばーどです。

私が学んでいる行動生理学の世界では「感情はなぜ起こるのか?」に関する論争があり、その完全な回答はまだ出ていません。しかしいくつかポピュラーな説があるのでそれを紹介してみたいと思います。(私自身のテスト勉強のためでもあります...)

  1. 感情の認知ってなんで大事なの?
  2. ジェームズ・ランゲ説
  3. キャノン・バード説
  4. シャクターらの説
  5. フェイシャルフィードバック仮説

 

今後もこのブログでは脳の仕組みみたいなことを書いていくと思いますが、素人向けにもわかるように説明していきたいと思います。

1.なんで感情って大事なの?
動物に特徴的な行動というのもありますが、危機回避時の行動の促進という効果が大きいです。


2.ジェームズ・ランゲ説
「悲しいから泣くのではない、泣くから悲しいのだ」という名言で知られる学説です。心臓の拍動や筋肉の緊張などの生理的な変化を脳が認知して、感情が生まれるというものです。

末梢神経の生理的変化→大脳による認知→感情の発露
というのがルートです。

ただし、末梢神経系と脳の結合を切断したイヌでも感情表出が見られる(もしこの説が常に正しいならばこのようなことは起きないはずです)ため一部当てはまらない例もあります。

直感的には、無理やりでも笑ってみると気持ちが前向きになることもあるためこの説がフィットしているような気もしますね。

3.キャノン・バード説
感覚器官から視床に情報が送られ、その後大脳を経由して末梢神経系に興奮が伝えられることに焦点を当てた学説です。視床が感情を生み出すのに主要な役割を果たす重要な特徴です。

4.シャクターらの説
刺激によって生じる身体反応を認知系が解釈することによって感情が生じるとする説。
認知によって一種のラベル付けを行うというもので、情動の2要因説と呼びます。

同じ身体反応を生じさせる薬を投与したときに、
a.薬の効果を説明する群
b.薬の効果を説明しない群
に分けたところ、同じ薬を投与したにも関わらずaでは落ち着いた反応が見られたにもかかわらずbでは著しい興奮が見られたことが根拠とされています。

5.ルドゥーの説

脳内には感情に関するルートが2つあるとする学説。「速いが粗いルート」と「遅いが可変性に富むルート」に分けられています。

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画像はhttp://mindful-music.jp/amygdala-hijacking/より拝借しています。

 上の画像を見てください。
緑色の細い矢印が通常のルートです。目から入った情報は視床と一次視覚野を通じていますが、赤い迂回ルート(速いが粗いルート)は視床から扁桃体に直接入っています。

画像のような蛇を見た時に「ヤバい、逃げろ!」となり逃げるのは赤いルートです。
蛇をじっくり見たら「なんだ、おもちゃじゃん!」となるのが緑のルート。つまり2つのルートは緊急時の回避に使われていたのですね。

感情を巡る議論はこれからも続きます...