心理学の活かし方~研究などイロイロ~

心理系学部生が研究や就活のことをまとめてみる

毎日違う職場で働く!?臨床心理士をめぐる悲しいお話

こんにちは。

以前,臨床心理学を学んで臨床心理士/公認心理師範になりたい!
という受験生向けに記事を書きました。

 

husbird.hatenablog.com

 

この記事には「心理学部に入ったからといって,無条件に臨床心理学のコースに進めるわけではない」と書きましたが,今日はその話をします。

 

POINT臨床心理士/公認心理師ってなってからも安定的な生活ができるわけじゃないぞ!というすごく夢のないお話です


私がまだ学部1年生だったころ,「発達障害をもつお子さんを専門に扱う療育や塾」でスタッフをしていました。

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実際はもっと授業っぽいことしてました



実際に働いてみると,「教科書であんなに書かれていた療法では全く効果がない...」
「なんでうまくいかないんだ?」などなど臨床における難しさもあります。

学部生の早い段階でこういう経験をしておけば,自分の適性を考える良いチャンスになるのではないでしょうか?

私の場合,生徒さんが少しでも授業に集中できるようになったり*1,無事に生徒さんの進路が決まったときなど嬉しいこともたくさんありました。

しかし,やりがいだけではやっていけないな...という現状もありました。

具体的には報酬,特に社員の皆さんの給料が安すぎるということです。
*2

彼らのほとんどは院卒(大学院修士),一部は博士後期課程を終えている方もいます。
そのような優秀な方々がほんの少数の正規雇用の枠を求めて100倍以上の倍率で競争しているのが,現在の臨床心理士の現状です。

正規採用されてもせいぜい額面の月給20万円だったりします。

さらに苦しいのが、「非正規雇用」の方の多さ。私の職場にいた方は院卒社会人であるにも関わらず非正規雇用の方でした。

正規雇用の特徴として,給料の支払いが「時給」である,5年を上限に雇止めされることが決まっているため,生活の見通しが立たないなどがあります。



ある週のスケジュールを聞くと...

月曜日:うちの塾で療育の仕事

火曜日:A高校でスクールカウンセリング

水曜日:あるNPO不登校児の支援

木曜日:うちの塾で療育の仕事

金曜日:B中学校でスクールカウンセリング


全て非常勤職員としての採用。
しかもスクールカウンセリングは「学校が休みの期間は行われない」ため、さらに給料が下がります。

臨床心理士/公認心理師の仕事は主に,病院・教育の2つがありますが,特に教育では非正規雇用で働いている方が多いのが実情でした。



しかも土日には学会で研修があったりと,なかなかプライベートも忙しいようで...*3

受験生の皆さんが臨床心理学に関心を持ってくれるのは嬉しいですが、安易に目指されて困るのはクライアント(相談者)の皆さん。

こういった現状があることを理解したうえで,それでもいいのかを考えて志望して欲しいですね。

公認心理師になりその待遇が改善されることを切に願います...

*1:この塾に通う生徒さんにとって45分の授業を集中し続けることは,極めて難しいことだったのです

*2:「給与」ではなく「報酬」と書いたのは雇用ではないからです。つまり労基法が適用されないことを意味します

*3:臨床心理士の資格を維持するためには,論文を出したり研修に参加してポイントを貯める必要があるのです。