研究者のタマゴ~心理学や統計学を語るブログ

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発達障害者はなぜ免許がとれないのか?~①心理学的な理由

こんにちは、ばーどです。

10か月間(教習は終わっていたのですが卒検に受からなかった)修了検定1回、卒検に4回落ちながらも無事に(?)教習所を卒業できました!←長い

 

一方でADHD,ASD当事者でもある私は運転への適性のなさを何度も痛感させられることにもなりました。(辛い)

というわけでこれから何回か「発達障害普通自動車免許」の関係について書いていきたいと思います。

 

第1回の今日は「発達障害者が運転に苦労する心理学的な理由」を書いていきます。
(ADHDASDに絞って書いていきます。)

 

1.かつて精神障害者は免許が取得できなかった

まずはこの資料を見てください。

https://www.npa.go.jp/koutsuu/menkyo4/siryo.pdf(第1回 一定の病気等に係る運転免許制度の在り方に関する有識者検討会資料,警察庁 )

道路交通法第88条(1960年当時)

(欠格事由) 第88条 次の各号のいずれかに該当する者に対しては、免許を与えない。 一 (略) 二 精神病者、精神薄弱者てんかん病者、目が見えない者、耳が聞こえない者又は口がき けない者 三~五 (略) 2 (略)

(太字は筆者による)

見てわかる通り、精神障害者の免許取得は禁止されていました。現在発達障害者が取得する障害者手帳療育手帳(知的障害のもの)または精神障害者保険福祉手帳となっていることからも、当時発達障害者の免許取得は極めて難しかったことが想像できます。

 

なおこの規定は2002年の法改正で以下のように改正されました。

道路交通法第90条(2002年時点) 

ただし、次の各号のいずれかに該当する者については、 政令で定める基準に従い、免許(略)を与えず、又は 六月を超えない範囲内において免許を保留することができる。 一 次に掲げる病気にかかつている者 イ 幻覚の症状を伴う精神病であつて政令で定めるもの ロ 発作により意識障害又は運動障害をもたらす病気であつて政令で定めるもの ハ イ又はロに掲げるもののほか、自動車等の安全な運転に支障を及ぼすおそれがある病気として政令で 定めるもの 

(略、太字は筆者による)

 要するに、幻覚を伴わなければ精神障害者でも問題なく免許が取得できるように制度上は変更されました。

しかしこの変更を経た今でも、障害者が車を運転する、ということに社会から厳しい目が向けられているように感じます。

2.ADHD,ASD当事者が苦手な状況がいっぱい!
教習中に運転していて感じましたが、ADHD,ASD当事者にとっては、これほどか!というほど苦手なことのオンパレード!マルチタスクだから無理、というのは簡単ですが、いくつか例をあげてみました。

①ルールを守らない車がなんと多いことか!

私はそれほどこだわりが多い人ではないのですが、例えば一方通行の道を逆走する、直進左折優先のルールを守らず無理に右折しようとする...ルールに従うことへのこだわりが強い人が多いASDの場合、著しいストレスがたまるでしょう。

 

②状況が一瞬で変わる

私が一番苦しめられたのがこれ。右車線への車線変更をしたいときにすべきこととして、「ルームミラー→方向指示器→サイドミラー→目視」と教本には書かれています。しかし実際の道路状況では「安全確認をして車線変更をしようとしたら後ろから車が突っ込んできた!」(つまり確認中に状況が変わった)ということが何度もありました。

 

私に言わせれば、「確認をした後予想外の車に対応するなんて無理!後続車〇ね!」という感じ。

③注意を妨害するもの(心理学的にはディストラクター)のオンパレード!

教習の場合は事故を起こさず教習所に戻ってくることが目的ですが、実際の運転では「目的地に向かうこと」が目的です。(当たり前)そうすると目的地まであとどれくらいかを把握したりするために、少し視線を外したりする必要があります。その典型例がこれ。

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例えば高知城に行きたいとすれば、「斜め右に曲がればいいんだなあ」と思うのが普通の人。しかし私の場合「高知城は斜め右、あ!斜め左の桂浜は坂本龍馬像があるところだ!坂本龍馬と言えば...あー!(ガッシャ―ン)」←さすがにガッシャ―ンはウソですが、こんな感じで注意が別の方向に向いてしまい高速教習で教官にハンドルを取られたのは事実です...

 

そんなこんなで発達障害者に運転は向かないなあ...というのが当事者かつ研究をする学生としての意見です。

 

次回は「そんなこと言っても免許とらなきゃいけないんだよ!」という人が実際に免許を取るときに気を付けるべきことを考えてみます。