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【文系でもOK】NAISTのスプリングセミナー体験記

こんにちは。

 

以前この記事で、心理学の経験を活かせるのは心理学系の大学院だけじゃない!という話を書きました。実際企業に来ても、工学系の研究室でも心理学の研究をしているなと感じます。 

 

さて、記事の中でNAIST(奈良先端科学技術大学院大学)のスプリングセミナ―に行った!というお話をしました。そこで、参加して感じたことを書いてみたいと思います。

 
POINT

NAISTスプリング/サマーセミナーの参加方法・メリットを体験ベースで解説しています。

 

 

NAISTの「スプリングセミナー」の概要 

NAIST内それぞれの研究室での研究を体験するための実習のこと。受験を考えている大学生以上の方であれば誰でも参加可能です。大学3年生や高専の4~専攻科の学生が多いですが、大学1~2年生でも参加できます。

座学でじっくりレクチャー、というよりも細かいことは置いておいてとりあえず体験しよう!という内容が多いです。大人向け科学教室のイメージが正しいかもしれません。

2~3日ほどの日程で、夏はサマーセミナーとして8月上旬に、春はスプリングセミナーとして2月下旬に行っています。応募はセミナー開催の1か月ほど前に締め切られるので忘れないように。

次の「参加理由」のところに詳しく書いていますが、参加には選考を通過する必要があります。そしてその倍率は研究室により1.5倍~3倍程度と誰でも通るものではありません。

 

参加理由

私は大学時代に心理学の研究をしていましたが、その中でも比較的理系っぽいテーマを選んでいました。そのため、大学での専門を生かして就職するために修士では理転したい、と考えるようになりました。

しかし、多くの理系大学院は数学に加えて物理や化学も受験科目として求められます。そこで、院試の負担が比較的軽い大学院として大学院大学を出願先の1つとして考えるようになりました。

そんな折、NAISTで研究を体験できる!ということを知りぜひ参加したいと考えるように。脳波を使った研究にも関心があり、大学院は脳科学もいいかな?と考えて応募しました。


ちなみに、テーマ自体は毎年変わりますが最近のトレンドを抑えたものになっており素人目線で見ても興味深いものばかり。例えば2018年のサマーセミナーのテーマは、最近はやりのワイヤレス給電やデータサイエンスなどとなっています。
 

参加のためには何が必要?

  • 500字程度のES
  • お金*1
  • 一定のスキル(主にCやPython,Rなどのプログラミング)


NAISTのセミナーに参加するためには、プログラミング経験などの一定のスキルが必要なコースが多いです。

しかし、私が応募した脳波解析を扱っていた研究室ではスキル不問で文系も歓迎していました。

ESは「そのテーマを志望する理由」で、文字数は500字程度。そのほかプログラミングに関するスキルの有無について質問がありました。私が参加した研究室以外ではほとんどが理系出身の学生だったことを考えると、文系歓迎!とはいえスキル重視だと思います。

 

実習内容

 主に次のようなことをしました。

  • 脳波についてのレクチャー
  • 脳波測定体験
  • 機械学習の基礎(ほとんど講義でプログラミングは院生さんがしてくれた)
  • 機械学習で脳波を分析する

私達がやったのは、脳波を分析することでどのような画像を見たときに人が興奮するかを分析するというものでした。

脳波測定体験では、下のような機材を頭にかぶったりしました。*2
f:id:husbird:20190527190244j:plain

脳波測定体験でも最低限の注意事項はレクチャーしてくれます。あくまで体験ではありますが、こういうことをやって脳波測定するということは理解できました。

その後は機械学習の基礎的な講義を受けたうえで、脳波を機械学習を使って分析しました。プログラミング自体は院生さんが既に作ってくれたものを使うので、どういう流れでやるのかを体験するだけです。

 
スプリングセミナー中は助教の方と院生さんがずっとついてくれていて、大学院の選び方、研究計画書の書き方、院試対策のアドバイスなどしてくれました。
 

参加しての感想と参加したメリット

入試について以下のようなことを教えてくれました。
  • TOEICの点数は600程度必要で,近年上昇傾向にある
  • 数学の試験で公式を忘れたら,試験官が助け舟を出してくれる
  • ほぼ面接だけで決まる(研究計画書は面接の資料になります)
  • (この研究室は)本当に心理系出身者ウェルカム
TOEICの点数は大学院にしては低め。のちに参加した東工大の院では700点以上必須と言われました。こういう情報はあまりオープンになっていないため、セミナーや研究室訪問で知る必要があります。

セミナー自体も興味深い内容でしたが、実際に参加して改めて文系出身者へのサポートが厚いことを感じました。これは研究室レベルだけではなく、大学院としてもそうです。文系出身者向けの数学や工学の講義が入学後の数か月間に提供されるなど、大学院としては珍しいくらい講義が多いです。

ただし、参加したことで院試で優遇されることは少ないです。私と同じタイミングで参加した人は院試で不合格になるなど、人気の研究室であれば普通に落とされます。そういう意味では、参加して自分の名前を売るというよりも、研究室の実態を深く理解することを目的に参加するといいでしょう。

*1:交通費・宿泊費は自己負担

*2:1台300万円です。最近うちの研究室にも導入されましたが高い...